Fatima

強烈に変なバンドでした。
ステージパフォーマンスがとんでもなく派手でユニーク。一度見たら絶対に忘れられないインパクトがあった。テーマカラーはピンク色の爽やかな変態系。場末の地下室ショータイムキャバレー的エロス。ゴテゴテの悪趣味な派手さも、80sのレトロ感覚も、やりきっちゃえば洗練される。派手に着飾ったギャルなお嬢様がわんさか溢れかえり、黄色い声でメンバーコールして咲き、飛んで踊って、とことんバカになれる空間。人をその気にさせるのも上手く、断固咲きを拒否するような客層に咲いてみてもいいかなと思わせるような奇跡を起こす。良くも悪くもヘンな楽曲達は、ライヴを観るとなると、なるほどピタリとハマる、ってなわけ。あー今のヴィジュアルのノリってコレだよねー、というお約束事的な楽しさをしっかりと押さえつつ、ありきたりなお約束ごとを踏襲してることを前提としてオリジナルなノリを出せるのが素晴らしい。
擬似恋愛空間、この熱狂も「幕が落ちるまでの偽装世界」「夢だけ見ていたいなら これ以上こちらに踏み込んではいけない」。キャッチコピーは「極彩色夢絵空事」。客との距離のとり方が独特である。これは偽装世界だとあらかじめ断りを入れたうえで恋愛感情と傷の舐め合いに客もバンドも本気。上手い。あれは良い夢だった、と割り切ることが許されるからこそ出来るバカ騒ぎだ。バンギャル文化の悪しき風習は、そしらぬ顔して全て先手に取って回る。客に対して主体的に動くからコントロールも出来る。そして、それに気付かない人も多かったが、気付く人ならその展開力と大人のしたたかさも見えてきちゃうと逆に爽快である。せめてライヴ中はお互いにダマし、ダマされてみよう、と。
そんなスタンスにあわせて、歌詞に感銘を受けたし共感もした。
自分達のやっている事と立場とが何なのかが解かっていて、それでも、皮肉でも、この世界を愛している。熱狂と盲目の裏側にあるものを知っているからこそ出せる、音楽とは別の意味での、「ヴィジュアル系ならではの良さ」を良く知っている。「哀愁の底辺」の歌詞に彼の偉大さを見た。唯一無二の詩人であり、パフォーマーである。
おおざっぱにがちゃがちゃしている演奏は、欠点ではあるが、「味」でもある。テンションにムラがあるのと、何故かここ一番に弱かったのは…。
このスタンスと個性は、後にも先にも無いだろう。人を夢中にさせる素敵なバンドでした。
解散が非常に惜しまれるが、今後の活動には大いに期待。
解散後、ラストライヴのDVDと、ヴォーカル本名名義の詩集が発売されております。歌詞の閲覧はオフィシャル→FatimaRoom→Vo.Kanoma「真っ赤に熟れた心臓」→右心室まで。
【Update:2007/04/08】

to Exit~Grand Finale~ 

DVD (2005/12/21) ...ラストライヴのDVDほぼ全編収録。ライブパフォーマンスが非常に強烈だったFatimaですが売ってる映像はほぼこれしかありませんのでなんとか観て下さい。Fatimaのライヴで面白かった要素は全部詰め込まれてるはず。まぁ・・・でもこれはもしかしたら体感しないとわかんない空気かも?客席が写るともっと面白かったかと。あと衣装がこれまた「らしく」無くて残念ではある。マーベラスがカッコイイ。
綺麗に終わったあとのブラジャー飛び交うしっちゃかめっちゃかなとんでもねーアンコールが収録されてないのは残念だ。あれこそFatimaって感じだったけど。あ、二枚目でチラっと映ったらしい。

Exit

Exit

サクラメイロ
消せない雨
ドリー・マーズ
peanut
紬糸
紫陽花
Fortune

後期Fatima作品ということで、Fatimaにしては爽やかなんですが…
サクラメイロは、桜の季節に静かに聴くのが赴き深い。
音源で聞くとさっぱりノリの分からないドリー・マーズはライヴでは大騒ぎのどんちき騒ぎで胸が騒ぎます。また歌詞が良い。くだらなくてもそれが世間に評価されなくっても、ここにある楽しみがあればいいじゃん。てことかね。やたら難しい歌詞とレスポンスを短い間に押さえて絶叫絶唱。
「所詮ただの道化、笑い者になることだけが存在理由」ブランコ少女に恋をした道化の悲しさを勢いのある曲に乗せて。peanatが好き。
ジャケットも綺麗です。衣装も素敵。エロさとエグさを出してこそのFatima「らしく」は無いとは思ったが。

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【Update:2007/04/08】

消せない雨/無知な涙へ

消せない雨/無知な涙へ

消せない雨
無知な命へ


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【Update:2005/10/14】

静む体温

静む体温

01.静む体温
02.Candy Strippers
03.堅瞑り
77.Tokyo’77

Fatimaの中で一番、素敵だな、と思う一枚。
ライヴで演奏してて、好きな曲、となると、昔からお馴染みのものが別からゾロゾロでてくるんだけど
作品として聴くなら一番。
Fatimaのメインディッシュじゃないけど、音源作品としてはFatimaらしさがある。

Fatima山場の定番、いわゆる通常のバンドで言うところの「煽り曲」Candy Strippersはドキドキしますよー。
当然Fatimaがありきたりな物を作る筈も無く、チキチキの打ち込み満載に乗せて謎のキーワード連発な電波歌詞。キーワードの散乱。歌詞が無い。それは、歌詞カードを見れば、理解できる。このキーワードもファニーでポップで毒入りで素敵。
私、Sanakaの歌詞が本当に好きだなぁ。キラキラ

静む体温は、ラストライヴで延べウン百人を涙の洪水に叩き込んだ殊勝のバラード。いい曲。
いつかのライヴで、曲の前フリのMCに、洪水のような涙を心の中に溜めたことがありました。

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【Update:2005/11/05】

NOBLE KING SNAKE

01.Noble King Snake
02.Public eyes
03.赤い薔薇のスープ
ライヴFatimaならではの定番二曲!ライター着火のノーブル大騒ぎ。パブリックも大騒ぎ。燃える燃える。

M:I-44

01.Mr.Imbalance-44
02.Humiliate me more,Darlin'
03.少女とクローゼット
02.03のライヴでのパフォーマンスはそのインパクトにどちらもドギモを抜かれた。楽しそう。そしてヒューミリのパクりをするバンドが後を絶たない!

SSB

01.Star Spangled Butterfly
02.Sticky flower
03.Blue velvet
SSBの「夢だけ見ていたいならこれ以上こちらに踏み込んではいけない」は個人的に感銘を受けた。歌詞の素敵な3曲。ブルーベルベットのどうしようもない切ない恋の終わりにはきゅんとします。

Downer

01.Downer
02.Love Me


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