Laputa


Destruction for evolution
ALL BURST 004.09.05
from the cradle to the grave 2004


2004.9.5
渋谷公会堂





どうして今、解散したいなんて言い出すの。
このままいつまでもいるんだと思ってた。
どんなに安定しているように見えても、それが永遠に存在するということは無いと言う事も知った。
安定しているというのは、裏を返せば馴れ合いの果ての行き詰まり感か。もともと何かを産み出し続ける作業というのは、そういうものなのかも。
それでも、このままお互いに何も求めず、客と創り手の馴れ合いの中で、時の渦の間に紛れてしまえたら、Laputaを失うことは無かったのにね。メンバーがLaputaという音楽を「生活の手段」にして生きていくのなら。誰もががLaputaという「名前だけ」に縋って生きていくのなら。

「一点の曇りもない、十一年間でした」
幾つものバンドが、時を重ねるごとに、過去を否定し、そのバンド「らしさ」を失っていく中で、Laputaは初期に持った格みたいなものを、最後まで持ちつづける事が出来た、数少ない人たちなんじゃないかと思う。
DARK・HARD・MELODIOUS、プラス後期はGLITTER。初期が何よりお好きな人には、キラキラのデジタル要素が、プラスアルファではなく変化なのかもしれないけどね。そう思えるのは個人の主観次第だとも思うのだけれど、少なくとも築き上げてきた過去の否定は無い。
過去の否定らしきがあるとすれば、それは単純に「メンバーが嫌いだからあの曲はやりません。」とかいう単純な理由でしかない。で、ラストでは結局、断固嫌がっていた奈落の底を演っちゃうわけだ。
そんなLaputaだからこそ、綺麗な形のままで留めておきたかった。最後までその存在感を曇らせる事が無い、惰性を微塵にも感じさせないままの幕引きは、それはそれで本当に見事だったと思う。

葬儀だった。
ツアーのサブタイトルにはfrom the cradle to the grave 2004 と綴られていた。
最後の別れを告げに回ったラストツアー一ヶ月。
貴方達が一点の曇りも無いまま昇華する事を望んだから、あの日渋谷にて眠りにつくための墓標を立てた。九月五日、渋谷公会堂。潤んだ灰色の空。
何も変わらない。Laputaだった。

ALL BURST、とは言え、じわじわと膨張させられていくような進行がちょっと変な気分だったんだけど。これを聴けるのも今日が最後なんだ、と思うと穏やかな気持ちで見られなかったりしたけど、最後だから特別どうだとか、私にはあんまり実感が持てなかったんだよ。
涙も無い。
変わらない嵐のような歓声とコール。あぁ始まるんだ…って思ったら、オープニングの映像にぞっとした。今までの活動の奇跡が流れるようにスクリーンに映し出されていく。澱みの無い活動歴に改めて感銘を受ける。
そうそう、今まで長らくKouichi様を観る事を放置していたため、久しぶりにホールなんぞでちゃんと拝見して、全身あの真っ白衣装に包まれて、木の切れッ端みたいな脚を晒して、『既にあの人は、ヒトと言うより「王子」という生き物だよなぁ』と感慨にふけったり、BUZZにおいては「にいさんをよべ。」「いくぞじゅんじ。」に微笑んだり、最後までその髪型にその衣装かよ!とヴォーカルのひとにツッコミ入れたり、「ラピュータ色に染まれぇ!」とかヴォーカルのひとに煽られて笑ったり、いきなり「お前ら全員抱きしめてやりたい」とかヴォーカルのひとに言われて死ぬほど笑っ…たり。
走馬灯のように数々の思い出が浮かんでは消える、木々から漏れる光の映像を背にした、木洩れ陽は名曲だわ、と思ったり。
いくら何でも有り得ないと思っていた奈落の底では、どうしたらいいのかわからず挙動不信に陥ったり。
最後のALKAROID、最後のMASTER…
Laputa好きだな。

イントロのギターが悲しく響く。雪の舞うBreath。
ひとつひとつのシーンが今でも焼きついている。
ぺたんとドラム台の上に突っ伏していた。耳を劈くようなコール。
マイクを通さない、肉声の「どうもありがとう!」が、フロアの最後列まで届いた。
そして舞台袖に歩いて行く後ろ姿を見つめていた。その時間が長かった。
きっと、もう二度と、「Laputaのaki」と言う、この同じ熱を持ってあの人を見ることは無いだろう、と思った。
いいんだ。なんとなく。最後まで元気な「Laputaのaki」でいてくれたから。これで一生好きなままでいられるからさ。

「どうせいつかは忘れる 思い出す事も無いさ」

春は来ない。
より輝くため、より高いところへ。そう言って消えてしまった人たちを知ってる。
例え貴方達に春が訪れようと、私にはいつまでも、その光景が雪化粧に覆われたまま、記憶に焼きつくの。
それでいい。
だからせめて自分の手で埋めるための。十二年と一日、走り続け、そして美しいままに消える事を選んだ貴方が、暖かい春の夢の中で眠るための、最後の夜。

「忘れないでくれ…」
「Laputaの四人は、いつでも」
廃人達の心の中で、いつまでもLIVEしているから。

ラピュータのエンディング。かつては、嵐のようなしつこいアンコールが見物だったLaputaの。
Kiss in the Cloudsが静かに流れていた。殆どの人が、席を立つ事も無く、ただ黙ってスクリーンを見上げていた。
アンコールでは無い。熱を帯びた叫びでも、嗚咽でも、拍手でもない。沈黙。
静かで、どことなく空虚な。

黙祷のように。



【SETLIST】
01.深海 02.Night and Day 03.Beauty X Butterfly 04.揺れながら…
05.ナイフ 06.Gorgeous 07.meet again 08.太陽と蒼い月~2 Lovers~
09.硝子の肖像 10.木洩れ陽 11.Brand-new color 12.Sparks Monkey
13.Chimes 14.ALKALOID 15.MASTER ~Go beyond dimension~ 16.eve
17.Freedom 18.an eternity 19.POPular UPrising
EN1 20.BUZZ 21.B.C. 22.奈落の底
EN2 23.Target 24.Dummy
EN3 25.Final 26.Unusual 27.WITH the WIND
EN4 28.Breath






【edit:2004.9.18】

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