deadman
blood in the heaven

2002.11.10
新宿LOFT




deadman。

洋楽風味のハイレベルな音に乗せて
眞呼様の描き出す世界観、鬼気迫る。

 っていうか、マンソンじゃん!!ジャパニーズヴィジュアルミュージックを超越した世界です。うーん、雰囲気が海外なの。多分。いくつかの新曲なんて特に脱日本化してる印象。いいんだけど、そのうちバンギャが一斉に引くと同時に、そのスジな方々に「マンソンじゃん」って文句言われる日が来るのかしらB'zみたいに。そんな謎な未来は来るのかしら。音的に、って話ですけど。
そんな音を使って表現する世界は、日本の美しき精神性(破滅的で後ろ向きで耽美主義でゴシック風味万歳)から、決して外れないから好きだわ。ストレートでも変化球投げても、極・V系的世界。一曲一曲に必ず付いてくる眞呼の手がける「ストーリー」の、受け手に与えるインパクトはとにかく抜群ですな。
 今回のワンマンでは新曲をいっぱい御披露してました。それらの音・ストーリーも、以後ファンの心に刻み込まれて時を経るごとに深くなっていくはず。極端に激しいでも静かでもなくてミドルな曲連発だったりして、普通だったらダレるよな〜ってどっかで思いつつ、それでも演奏で引っ張られて聴き続けられるってのは凄いこと。
当然、V系典型的パターンなノリではないのだけれど、でも客にはヴィジュアル系がなんだかいっぱい混じってるぞ、というこのアンバランスさ。それでステージと客と自分との三方向に、それぞれのノリには違和感感じたんだけど、楽しい。押されて押されて押されてなんだこの居心地悪さは!とビックリした。そうか、今日はワンマンなんだ。lunch boxで逆ダイなんだかなんなんだか良くわかんないのがどっと来てましたがどうなっちゃったのかしら。後ろの方で笑顔満面で助走つけてタックルしてるような連中はいない(と信じたい)んだけどここに立ってると逆ダイっぽい、どういう仕組みになってるんだろ、みたいな疑問。
 あんまりdeadmanはハコの良し悪しに影響されない方だと思うんだけど。でもあんまり音の良い日ではなかったかもね。まーねぇ…あんまりいい話聞かないロフトだしねぇ。立ち位置もいい音聴くにはちょっと前過ぎたし。そういえばギターの方のいろんなところがルーズだなぁってふと思ったけど。でもそこんとこが、きっといいの。ああいうのでaieヘボいって云われるのだとしたらわたしは悲しい目で不服を訴えるわね。aieの一本ギターで無理やり二本分の音を出して押しまくってるみたいな感じが好き。ツインギターのカッチリした感じより、シングルの適度に感覚で弾いてるようなギターが好きなの。明とか。Kouichiとか。
で、コンビネーション抜群のリズム隊。理屈じゃなくて、クリックで合わせたような「正確なリズム」じゃなくて、その合わさり方は本能なんじゃないかっていうくらい。楽器を弾くことを深く知らない側としては神の領域に見えるような迫力。一目瞭然でわかる素敵なリズム隊よね。惚れ惚れするわね。
トキドラムソロがあって、なんか、いかにもdeadmanだなぁって感じの、一見地味だけど小技が効いてる感じ。LUNA SEA真矢並みに「(ダンッ)トキー!(ダンッ)トキー!」っていうあんまりな煽りがあったらどうしようとか一瞬心配したひと絶対にいるはず〜。続いてタカマサ大フューチャーlunch boxイントロとか、ん、かっこよかったけど、何だったんだろ。本日二回目のlunch boxじゃん、とか思ったけど止まった。何なんだ?
サーカスが思ってた以上にかっこいい。あまりやらないのもったいないなぁ…。
 久々のワンマンってことで、いろいろと凝った演出もあるかなぁとか期待してるわけですよ。ヴォーカルソロ。ヴォーカルソロっ!眞呼様パフォーマンスタイムっ!
朝起きたら殺人者になってて、瓦礫の山の老人が、身体を繋ぐ糸を切ったら自由になれるって言うからいっぽーんにほーんさんぼーんよんほーんと切って満足して寝て起きたら身体が動かなくなってて瓦礫の山に捨てられちゃった、老人高笑い、みたいなストーリーをぼそぼそと語ってるのをSEに流しながら眞呼様舞台。怪談百物語か眞呼かくらいの勢いだ。最後の絶叫に素でビビった。魅せるパフォーマーだね。綺麗に動くわ。
 散々しつこくやれやれって連呼してたよね私は。ありがとう!名曲ブルーベジーありがとう!!もうあんまりやる気無いのかと思ってたよ。わー!(歓声と喝采)。詩の朗読という思いっきり文句の付け所無い、美しい美しい演出までつけて頂いて…。もう何も望むことないです。(一応)ブルーベジーの、喪失の切なさがドサッと覆い被さってくるのに、放心したようなふわっとしたあの雰囲気。大好き。ブルーベジーの「ベジー」の意味はなんなんだ、とか、日々聴きながら考えたりとかするでしょ。どういうお話なのかなぁって。そんな疑問の断片をちょろっと見せてくれたような。失った貴方を花を通じて会いに行くみたいな内容だったかな。
ベジーって、なんだろうねえ。人の名前か花の名前か…?
 東京はアンコール付きで珍しくさらっと眞呼喋る。「昔の曲なんで勝手に盛り上がってください」とか言われてしまったわ。ブルーべジーのほうがよほど昔の曲なのに。701126でもう昔の曲扱いなんて、時間が流れるのは早いわね。大いに盛り上がりました。ああいう、deadmanのくせにフィジカルにぐちゃぐちゃな状況もまた面白いわね。

 deadmanは脱日本的だなぁ〜、マリリン・マンソンとか好きなんだなぁ〜、としみじみと思った今日でした。なんにしてもアルバムが楽しみです。チラシを繰ってたら、出てきましたよ。三月七日にアルバム発売。ノー・オルタナティヴ。
そこでなんでそういう問題になるんだかね。そうですね。夕張メロンカルピスソーダ割のラベルに「※これはカルピスではありません」ってラベルが張ってあるようなもんだと思うの。変なたとえだけど。
 桜と雨とかのミョーなフリが消えたと思ったら…。サイリウムはやめれー気が散るー。光り輝きたいのならサイコ行ってー。

 それにしてもいっぱい来ましたね。ぞろぞろと来ましたね初死人の知人が。皆様、ありがとうございます。おもしろいくらいにドハマリした方とか、半年に一回見れればいいやとか言っておきながら翌日は脳内眞呼様大行進だった人とか、「好きじゃないでしょ」「ウン」というあんまりな会話を普通にした方とか、いろいろいました。素敵なバンドであることには間違いないけれど、人を選びますね。

 …なんか、ますますライヴレポから遠ざかる日々です。「DARK IN MY LIVE MEMORIES」です。愛着ゆえ冗漫すぎて意味不明で書いてて嫌です。




【SETLIST】
1.site of scaffold
2.please god
3.苦悩の中の耐え難い存在
4.(新曲・メア編披露・敬礼!敬礼!)
5.色別の亡い空虚 (カンテラ使用)
6.(新曲・ヌーキキ編披露メロディ大げさHR)
7.桜と雨
8.(新曲・I'm sorry...ファルセットで語る新曲)
9.lunch box
10.quo vadis (演説台使用)
-休憩-
11.(新曲・歌詞がツボなスロー新曲)
※眞呼パフォーマンス (瓦礫の山に捨てられる怖いお話)
※Tokiソロ〜TAKAMASAフューチャリングlunch boxイントロ
12.(新曲・爽やかな朝イメージのディスパ編一曲目披露)
13.サーカス
14.ブルーベジー(前説朗読有り)
15.in media
16.(新曲・程よく激しい新曲)
17.blood
18.溺れる魚
19.re:make
-EN-
20.701126




【update:2002/11/28】

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