SHOCK WAVE ILLUSION 2000


ROUAGE | La'cryma Christi
sex MACHINEGUNS | Janne Da Arc


2000.9.17
日比谷野外大音楽堂






日比谷野外大音楽堂。
ROUAGE。それはバンドの転機になった大切な一曲、力強く美しい雨、憂いの雨の歌。
「胸に降る雨、胸に咲く花」
胸の奥にも、胸の上にも雨が降る。奇跡を起こす。

このライヴ人生において、鮮烈に記憶に残る数少ない一曲がまた増えましたねー。
曲の序盤で、気が付けばポツ、ポツと降ってくる雨。メロ、サビ、メロとくり返し、クライマックスを迎える一番の聴き所の頃には、ザ―――――――・・・ッ
それは本当に本当に、神の所作としか思えないような一寸の狂いもないタイミング。
すごい。思わず、神様はいなくても奇跡は起こせるんだ・・・とか、思いましたね・・・。
ただじっとステージを見つめ、全身で音を受けとめる、雨に打たれる肌の感覚を感じる。
頬を流れ落ちる水が雨なのか、それとも涙だったのか、わからない。
いろんな感情がぐるぐるぐるぐる回って、気が付いたら無意識のうちに、枯れた声で叫んでいた。恥もなく無意識に叫べる瞬間なんて、めったにない。
歌は凄いね。やっぱり凄い。
っていうか、アンタが神だよ。一至・・・。いやーだてに愛玩動物なだけじゃないわねーホント。ROUAGE好きのモチベーションを再確認しましたわ。

今年のSWIはチケット大争奪戦。毎年毎年このイベントは凄いけれど、今年は特別文句なしにスペシャルな4バンドが揃ってる。そりゃこのメンツで、今年は大阪が無いと来たら、チケットは奪いあいだわな。が、チッタ先行を勝ちぬき、しっかりと早くからチケット確保できてたのさ。 
まぁ・・・言わずと知れてますが参加の決定打は、上手G.RIKAの事実上の最後のステージになるROUAGEなんですが(チケット確保時にはその事実は公表されていなかったけれど)・・・ね、マシンガンズもかなりの量行ってますし・・・んでもって、ラクリマもジャンヌも一回は行ったことあるし、買える音源は全部持ってるくらいスキだしね。全バンドハズレ無しです。でも一応、自分の身分を忘れないためにROUAGEのツアーTシャツを着てみる。マシンガーじゃないんだぞーっっ!!!と。
曇り。雨が降りそうな、晴れそうな、そしてとにかく蒸し暑い日。12時ごろ、高速バスの中から会場を覗くと、まぁいるわいるわバンギャルな皆様が!意味もなく感動・・・なんかね、落ちつくのよああいう集団は(ライヴ病末期)。この残暑にみんな爽やかで無いちょっと狂ってるひとたち(笑)
ぱっと見の内訳では、マドモアゼルな皆様→目立たないが確実にいる マシンガー→強烈なのが多すぎ arkの皆様→少数精鋭コスだらけ ラクリーな方々→とにかく量で圧倒 といったところ。ROUAGE本命って、動員ない割には目立つんだわコスが。マシンガー以上にはれんちゃーなコスもおったりして。
リハを開始する前にひとまずホテルに逃げる。野音は音が漏れる・・・というか、野外だから、外でもそのまんま聴こえるからさ。やる曲をリハで知りたくないものね。なみげ嬢の報告によると、ラクリマのリハでは「皆踊っていた」そうです。マシンガンズのときも凄かったんだろうな。
なんだかものすごい人数で円陣を組んで気合入れをしているところがあって、お、マシンガーか?ROUAGEかぁ?とか思いながら見てたら、中にHIROコスがいた(笑)意外とヤンキー気質なのねラクリマファンって。思わず拍手するくらい。見事でした。でもラクリマのコはフツーの人が多いです。ファンの濃いラクリマも想像できない・・・けど。


さてさて、ライヴ。開演ギリギリでチラシ貰えなかった・・・くすん。しかも開演時間前に司会者と星子さん(SHOXXの編集長)が出てきて喋ってるし。をいをい・・・!
すり鉢状の会場で、うしろの方の下手端っこだったけれど、それでもかなり見易いし、木々に囲まれて雰囲気もいいなぁって思った。この会場、好きだな。

■Janne Da Arc
先鋒は、大宮のNACK5のイベントでもトップであったJanne Da Arc。Vo.yasuの出てきた瞬間なみげさんと「ギャルー!ギャルー!」と叫びまくる。いや・・・ほれなんだかyasuってルックス女子高生みたいだね、って話をしていたので(笑)
全体的に、ライヴで盛り上るハードな選曲の、快楽追求型の楽しいライヴをやってるなーって感じの構成。外はまだまだ明るいから、お客さんが良く見えて、一体感があって楽しかったな。そんな中で、「Will〜地図にない場所〜」は、まだまだ空の明るい、バラードの雰囲気の作りづらい状況のなかで、良くあそこまで歌いきったわ。ジャンヌ独特の、押したり引いたりの派手な展開がココロをぐっと掴むのよ。じっと聞惚れてました。いやはや、イイ声ですねー。彼は動きも派手で、それもまた目を奪われる。
「エビバディセイイエー!」(笑)とyasuが叫ぶ、ラップ交じりの謎の一曲、音響の影響か、ただ単にメンバーにリズム感が欠落してだけなのかは定かではないが、音がバラけててかなり残念だったな。大宮でも「?」って思ったので、きっと何かやばいのかも・・・。曲自体は打ちこみがちきちきしててカッコ良かった。あの曲は何て言うの?マドモアゼルなあなた様、もしご覧になっていたら曲名、教えてください。(正解:seal)
ジャンヌ定番の「うしろー!まんなかー!まえー!おーとーこーのーこー!」が聴けてまたも嬉しい。おおジャンヌ見てるじゃん!って気分になるわ。
選曲は最新アルバム「D・N・A」からが殆ど。わたし、これがイマイチ好きじゃないもので、Judgement以外にもインディーズ三部作の中からも少しやって欲しかったなぁ。仕方ないけれど・・・。でも、帰りのバスの中でもう一度聴いたら、D・N・Aも「あ、いいかも」とか思ったの。ライヴを通すと音源の感じ方もまた変わるのね。大宮とセットリスト殆ど一緒のような気もするけれど。ま、いいか。

■SEX MACHINEGUNS
次峰マシンガンズは、みかん・ファミレス・鬼・BURNの強力な定番曲4曲に、インディーズからのお馴染み曲ジャーマンパワーを加えて5連発。対バン殺しの異名をとる(とってるハズの)マシンガンズ。今日も会場を熱狂と爆笑とフリとヘドバンとの渦に巻き込んでおりました。客を魅了するという点では素晴らしいですね奴らは。曲を知らなくても、ステージのメンバーを見ているだけで楽しいし、ごてごてのフリを踊っても楽しいし、音に酔いしれてヘドバンも楽しい。ヘヴィーマシンガ―さんはともかくとして、どんな初見さんでも絶対楽しいって言うのは凄いと思う。MCも芸術でさ(笑) なんだかんだ言って結局ROUAGETシャツで踊ってしまった・・・しかも結構完璧に。不覚だ・・・これは不覚。どうやらライヴ、行きすぎたらしい。踊るなって言われても勝手に動いちゃうのよぅ。
わたしはイベントで見た方が楽しいかもなーマシンガンズ。多分。深入りされるとどうも引いてしまうのね。男がスキとか、ヴィジュアル系じゃない、とか、ロックです、とか言われても、そういう風にいわれるの嫌いなもんで哀しい気分になったり。今日も「ヴィジュアル系のイベントです、僕らは出ていいんでしょうか」というMCをされたとき、ちょっと複雑な思いを覚えた。ヴィジュアル系とか、そうでないとか、どうでもいいのに。
絶対に渋い顔をして腕組んで見てるだろうなーって思っていた鉄壁みっちさんに、予想外にとっても好評だったのでー、満足でーすワタシは(笑)なみげさんなんてしっかりとファミレスでモンキーダンスしてるとこ見たしー、イヒヒ☆
野音で昼だったのも好感触!マシンガーの壊れっぷりの全景が見渡せる・・・凄いっ!

■ROUAGE
ROUAGE。最新アルバム「Lab」からを中心に、最近の曲で固めてくる。・・・うん、「胸に降る雨、胸に咲く花」と、それに続く「肌色。」は文句なし!だった・・・んですけれど、ちょっと他のバンドのファンに見せるには、はっきり言って今日の出来はひじょーに不満。あれでは、ROUAGEとして、ROUAGEファンとして恥。大宮で見せたあの貫禄が全くでてなくって・・・ほんと。それがとても残念。あそこにいた人全員に「ROUAGEはこんなバンドじゃない!!」って言い訳して回りたい気分。
昼から夜へと、会場がその表情を変える時。SHONOさんの赤いドラムセットで、次がROUAGEだってことはすぐわかる。なんと、席がはじっこすぎて、いつもアンプの陰でもくもくと演奏してるサポートB.のSEISHIROさんがばっちり見える。ちょっと貴重なビューだ・・・。座って弾いてたのね。初めて知った。で、彼がボーン・・・ボーンとベースを爪弾く。あ、なんだか「視界/。」っぽい・・・と思ったらなんと一曲目!この曲初めて聴く!!Lab red-hot,〜ツアーでは多分どこでも演ってなかったからビックリ。嬉しい!
・・・んが、KAZUSHIの歌い始めた瞬間に「?」。音歪みすぎ!わざと?わざとだよね?でも声の輪郭が潰れてて全然わからない。なんだか音響もバランスめちゃくちゃだし、いいのかな?続く「瞳をあけてみるゆめ」も、なんだかテンポが遅いし、噛み合っていない。二曲目から、六曲目「進化論。」まで、なんだか、いちいち、「テンポ遅いなあ」「変だなぁ」「こんなじゃないよなぁ」って悩みながら、それでも手を振ったり頭を振ったりは、一応。
そして、七曲目は、上記の「胸に降る雨、胸に咲く花」。ツアーでは本編の最後を飾ってきたこの曲。もう終わりなんだな・・・。ぽつぽつと降り出した雨は、やがて大粒の涙に変わり、客は雨を凌ぐためにタオルやポンチョをあわただしく取り出す。帰る仕度を始める人達も。彼女らにとっては、既にライヴどころじゃなくなっていた。多分・・・でもROUAGEを見に来ていた人達は、それでもステージを見続けずにいられなかったんじゃないかな。後出のLa'cryma ChristiのVo.TAKAは、そのMCでこの雨を「神懸りの泪雨」と表現していたけれど、その意味を理解した客はどれだけ居たことか。意外なことに後一曲が続く。夏の「肌色。」光に透ける雨、その奥には暗闇に沈む木々のコントラスト。楽しそうに身体を揺らすオーディエンスとROUAGE。しなやかに夜の森に伸びる音色、輝雨と跳ねるヴォーカル。時間と空間・・・その場にイメージを付けるとしたら、同じくROUAGEの一曲「桜花、繚乱。」の一節がはまるかな。「夏、キミと光る風、向日葵を揺らす陽炎、黄昏に花火、虹色の雨降り注ぐ」
本当に・・・今回は、それでいいや。
イベントなのにファンのためのライヴでしたわ。RIKAの事実上の最後のステージ。わたしはもう8月26日のNKで嘆くだけ嘆いて悩んで、一応ココロに決着をつけているので、特になんとも思わなかったけどなぁ。NKで脱退宣言をしたのに何事もなく出る、っていうのも、嬉しいには嬉しいけれど、どこか納得できない複雑なものがあったし。彼は今日もいつもと変わらず、不機嫌そうにステージ中央から背を向け、独り黙々とギターを弾き、そして終了後、RAYZIのマイクをコツンと叩いて、ROUAGEとしての最後の彼は下手ソデへと消えて行きました。
後にKAZUSHIだけがステージに戻り、喋り方がすげーわざとらしいバカ女こはたあつこのインタビューを受ける。「写真集が10月22日に出ますが、そのタイトルが『Lab-juese』・・・ちょっと、えっちなタイトルですねーこれはKAZUSHIさんがつけたんですか」
「はいボクがつけました・・・」とか、写真集のハナシをいろいろしていたかな。
最後に一声、叫んだ。「ぜってぇ帰ってくるからな!!!!!」
頼んだよ!絶対帰ってくるんだよ!!

そんなこんなで雨に濡れびたびたになってしまったわ。ポンチョ買ってないのよねぇ。ビニール袋はちゃんと用意してたんだけれど。一応荷物、しまおう・・・せっかく入場口でもらったSWIのウチワ、ボロボロになっちゃった。うーん、ちょっと寒い。濡れ鼠はキツい。

■La'cryma Christi
大トリはLa'cryma Christi。
・・・・凄!
ラクリマなんてなんでトリで来るんだよ、とか思っていたワタシ、ひっくり返りましたわ。こんなバンドだったっけ???むちゃくちゃ巧いやん!LUNA SEAのミレニアムイヴで「バカ巧いわっ!」って感動したけれど、同系列の音感覚としてはこりゃ超えてるな・・・。
いやー・・・動員力あるはずだわ。帰らなくて良かった。いいもの見たわ。うん、かなり見くびってた。スミマセン。・・・ROUAGEトリでなくて良かった!
ROUAGEが降らせた雨は、La'cryma Christiでしっかり止んだ。なんだか、本当に不思議。セットチェンジの間、この雨の中で、セットリストを急遽「Lime rain」とかに変えられるバンドだったら、凄いなぁとか考えてみた。・・・なかったけど。しかし帰った人多いな。空席がとっても目立つ。マシンガーらしき隣が空いちゃったので勝手に移動して後ろのラクリマファンに顰蹙を買う(笑)
選曲は最新アルバムとひとつ前のアルバムから同じくらいかな。あと新曲。こんなイベントで新曲お披露目する彼らもなかなかやってくれるね。わりとマイナーでハードな感じの、カッコイイ曲でした。期待できそう。
しかし、とにかく上手い。楽曲自体もすごく華やかだし、音圧がとにかく凄くてバケツの水を空けるようにどんどん心に入ってくる。聴いていてホントに気持ちがいい。多分曲を知らない人でもすごく楽しかったんじゃないかな。「音楽誌が書かないJ-POP批評7」って本で、ライヴで楽曲を再現できないプロデューサーの力量に頼りきりのバンドだ、などと書かれてたけれど、あのライターはいったい何を見たんだろうね?(笑)上手G.HIROの動きも電波系でおもしろい。RIKAと同じく宇宙と交信してますね奴は。TAKAのMCも謎。あの甲高い声で、英語かなんかをまくし立てた後「それでさ〜」とかいきなり素に戻る。なんだアイツ(笑)ラクリマ恒例の「だれかな」節が聞けて満足。
ラクリマは一度見ておいた方がいいですねー・・・オススメ!

ライヴ後のインタビューでは、暴れすぎで貧血起こしたTAKAだけが出てこれてなかったです。ここでバカオンナこはた爆発。「ひろさんはぁ〜、なんで髪を切ったんですかぁ〜?」「・・・・・・・・・・ひみつ。」「髪を切ったとき、なんておもいましたぁ〜?」「・・・・・・・・・・・・ほっといてください」・・・HIRO、気に入ったオマエ可愛いよ!

アンコールは無し。星子編集長とバカこはた、それにSHOXXでロックンロール日記を書いてるライター大島暁美がゲストに呼ばれ、i-mode用SHOXXコンテンツの紹介などしてる。いやー毎年毎年おもしろいイベントをありがとうございます。ゆくゆくは、SWIをフジロックくらいの一大ヴィジュアル祭典にしてくださいましネ。

で、某らるく教会な9人の皆様方、ライヴ後のお夕飯楽しかったです、ありがと♪ ・・・ていうか、あそこラルクサイトじゃないのかね?(笑)寒かったけどいまのとこ風邪ひいてないのでご安心を☆
ラルクもまた野音でやって欲しいな。あの会場好きになった。いいね、自然、夜の帳が落ちるなかでのライヴ。Plastic Treeの時も行っておけば良かった。 なかなかいい雰囲気だったらしいことは雑誌やネットで知ったけれど、あの会場で彼らがやったのなら、多分本当にいいライヴだったんじゃないかな。
ヴィジュアル系という文化のことも、少し考えた。こういうの、GLAYとかラルクとかでたらどういう見方をされるのかなぁって。今日出てたバンドとどこが違うのかなぁ。今日出たバンドはあくまでもヴィジュアル系という小さな世界でクローズされた人達。ここから逃避していくラルクって、なんなんだろう、この世界がそんなに居心地悪かったのかな、ずっとここにいて欲しかったな、とか、妙なことを考えてしまった。

【SET LIST】
■Janne Da Arc
01.Vanity 02.Junky Walker 03.Lunatic Gate
05.seal 06.Judgement 死神のKiss
■SEX MACHINEGUNS
01.みかんのうた 02.ONIGUNSOW (MC)
03.ファミレスボンバー 04.BURN 05.GERMAN POWER
■ROUAGE
01.視界/。 02.瞳をあけてみるゆめ 03.クロール/バタフライ 04.ブレストファイア 
06.進化論。 07.胸に降る雨、胸に咲く花。 08.肌色。
■La'cryma Christi
01.SCORPION GLASS 02.Blossom 03.LIFE 04.PSYCO STALKER
05.イスラエル 06.Frozen Spring 他

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